研究テーマ
 


私達は、T細胞の分化、特に選択過程の分子メカニズムの解明に興味を持って研究を進めています。胸腺細胞は正および負の選択を受けて分化成熟します。T細胞に特有の生物現象であるこのセレクションの分子機構を解明したいというのが最終目標です。そのひとつのアプローチとして、ここ数年は、胸腺に特異的に発現している未知遺伝子の同定とその機能解析を中心に研究を進めています。


1. T細胞の分化、シグナル伝達におけるGaspの機能

Gaspは我々が新たに単離した新規の胸腺特異的遺伝子である。脊椎動物以上で進化的に良く保存されているが、ホモロジーやドメイン構造が存在しないため、その機能を予測することは困難である。Gasp遺伝子のノックアウトマウスを作製したところ、正の選択が強く抑制されていることを見いだした。この分子はβ選択、負の選択、末梢の活性化には関与しておらず、正の選択だけに必要な分子であることがわかった。現在、この分子の機能について精力的に解析を勧めている。



2. 免疫系におけるRhoHの機能

RhoHはGTPアーゼ活性を持たない低分子Gタンパクであり、ZAP-70のアダプターとして働くことが最近報告されている。我々は胸腺特異的遺伝子の一つとしてこのRhoHを単離し、独自にRhoHノックアウトマウスを作成した。このマウスでは胸腺における正の選択が強く阻害されていた。負の選択、アゴニスト選択におけるRhoHの機能について詳細な検討を行っている。さらに、RhoHがマスト細胞においてSykと結合し、抗原依存的シグナル伝達に重要な働きをしていることを見いだし最近報告している。



3. その他の胸腺特異的遺伝子


RhoH、Gasp以外にも、我々が単離した胸腺特異的遺伝子、ISC6およびISC22のノックアウトマウスの作製および表現型解析を現在進めている。


その他にも多数のプロジェクトが進行中です。