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Dr. William Lands来訪(1998年9月9日)


(仕事の説明をする加藤君)

Lands' cycleで有名なDr. Bill Landsが帝京大学薬学部の和久敬蔵先生と共に研究室を訪れた。Billは今から8年前にNIHに移り、現在はAlcholism and Drug Abuseの部門のScientific Adviserをしている。Billと会うのは10数年ぶりだが、当時とほとんど変わらず、優しい眼差しで、しかし、ナイーブな厳しい質問やコメントを次々に浴びせかける。曰く、「今はアメリカでは若手の研究者の方がより保守的だ。日本ではどうだ」「酵素が核膜へ移るというのなら、高速トンネルがあるのではないか。核内で何をしているか、調べているか」「ω3の脂肪酸を欠損させると、そのままではほとんど症状は出ないが、脱水にすると皮膚の保水力が見る見る落ちる。ノックアウトマウスの表現形も同じで、重要なのはどの様なストレスをかけるかだよ」「日本人は昔と変わらず相変わらずシャイだ。おまえは典型的な日本人ではない」(図々しいということかな?)。ちなみに彼は、Lands' cycleの他にプロスタグランディンDの発見、シクロオキシゲナーゼの最初の精製、そしてEPAの栄養的価値の発見などエポックメイキングな仕事を次々にしてきた人である。彼はおもちゃを与えられた子供のように討論を楽しみ、そして相手を知的に挑発していく。好奇心こそが研究の原動力であることを身をもって示している人である。