2022年7月15日
令和元4年度夏季リトリート 最優秀所長賞 受賞課題
課題名:「組み換え蛋白質でヒト線維芽細胞から加工した肝幹細胞は、10個移植することで致死的肝障害マウスをレスキューできる」
受賞者 高品智記 (難治性疾患研究部)
この度はこの様な名誉ある賞を頂き大変嬉しく思います。また多くのご協力を頂いた先生方にも御礼を申し上げます。数年前に本プロジェクトに携わった当初は、転写因子タンパク質そのものを細胞核内へ導入し肝臓分化誘導を試みていました。日々、組み替えタンパク質を精製し、幾つもの転写因子を試し、それでも上手くいかず行き詰まっていた時期でもありました。その様な状況の中で、本プロジェクトの肝である人工転写因子というシステムに出会えたことは、まさに状況を覆す一手だったと思います。勿論、そこからも多くの検討を要しましたが、先が見えるポジティブなデータが出始め手応えも感じていました。そして今回の話に至る前段階の間葉系幹細胞を用いた肝臓様細胞への加工方法についてもようやく論文投稿へと漕ぎ着けることができました。本演題の内容も早急にまとめ、トップジャーナルへの掲載を目指すとともに、将来的には臨床応用を目指して、より発展させて行きたいと思います。
満屋裕明研究所長から賞状を戴きました。
次回の実験では、マーモセットも使用します。