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ナショナルセンター・バイオバンクネットワーク(NCBN)の試料を使った全ゲノムシークエンス解析
2023年12月8日
国立国際医療研究センター(NCGM)
国立循環器病研究センター(NCVC)
国立精神・神経医療研究センター(NCNP)
国立成育医療研究センター(NCCHD)
国立長寿医療研究センター(NCGG)
1. 発表者
河合 洋介(ゲノム医科学プロジェクト)
2. 研究成果のポイント
- 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター(略称:NCGM)、国立研究開発法人 国立循環器病研究センター(略称:NCVC)、国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(略称:NCNP)、国立研究開発法人 国立成育医療研究センター(略称:NCCHD)、国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター(略称:NCGG)は、ナショナルセンター・バイオバンクネットワークのバイオバンクの試料の全ゲノムシークエンス解析(WGS解析)*1を実施しました。WGS解析を5つのナショナルセンターが同一のプロトコル(手法)で実施することにより、均質なゲノム情報を取得できました。
- 今回のWGS解析で得られたゲノム情報はがんや難病/希少遺伝性疾患の研究のために必須なコントロール(対照)データとなります。
- 一方、今回のWGS解析で得られたゲノム情報は集団遺伝学*2の貴重な研究対象でもあるため、ゲノム情報を解析して日本人集団の遺伝的な特徴を研究しました。
- その成果の一つとして、ゲノム情報から過去の人口の変化を推定し、沖縄と沖縄以外の地域(本土)では人口変化のパターンが異なることを明らかにしました。
- もう一つの成果として、東アジア人において正の自然淘汰を受けていると考えられるアルコール代謝、メラニン代謝、脂肪酸代謝の遺伝子の過去の遺伝子頻度を推定し、2万5000年から1万年前の異なる時期に遺伝子頻度の上昇が始まったことを示しました。
3.補足説明
*1全ゲノムシークエンス解析(WGS解析):ゲノムの全長の塩基配列を次世代シークエンサーで解析する手法。
*2ある集団の遺伝情報を統計的に解析することで、その集団の遺伝的な特徴の時間的変化や、他の集団との違いを明らかにする学問分野。
- 詳細は以下のファイルをご覧ください。
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