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B型肝炎ウイルス既往感染肝がん患者の予後予測に新たな一手 ~高感度HBs抗原測定が示す新たな予後指標の可能性~
2024年10月1日
独立行政法人地域医療機能推進機構北海道病院
北海道大学病院
国立国際医療研究センター
1. 発表者
杉山 真也(国立国際医療研究センター 研究所 感染病態研究部 テニュアトラック部長)
2. 研究成果のポイント
- B型肝炎ウイルス(HBV)*1)既往感染が肝がんの経過や病態に与える影響は明らかでなかった。
- HBV既往感染*2)は肝がん患者さんの予後に有意な影響を与えなかった一方で、HBV既往感染患者さんの一部(11.8%)では高感度HBs抗原が陽性となり、その患者さんの予後が不良となった。
- 高感度HBs抗原が陽性の肝がんは、より進行した肝がんで、腫瘍の血管浸潤があり、血液中の腫瘍マーカーAFPが高い悪性度の高いと思われる肝がんである割合が高かった。
- HBV既往感染の肝がん患者さんで高感度HBs抗原を測定することにより患者さんの予後予測や病態把握につながることに期待。
3.用語解説
*1) B型肝炎ウイルス(HBV)
急性または慢性の肝炎を引き起こすウイルス。肝炎が持続すると肝硬変、肝がんへと進展する恐れがある。
*2) HBV既往感染
過去にHBVに感染し、現在はウイルスが体内で活動していない状態で臨床的治癒の状態。通常のHBs抗原・HBV DNAは陰性かつ HBc抗体または HBs 抗体陽性となる。一方で、多くの場合肝内にcccDNAとしてHBVウイルスゲノムが肝細胞の中に終生残存し、また患者さんの肝細胞のDNAにHBVウイルスゲノムの一部が組み込まれている症例も確認されている。
- 詳細は以下のファイルをご覧ください。
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