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マラリア原虫の生存に必要な脂質分子群を合成する酵素の同定に成功 リン脂質の合成系路は原虫にとっての生命線!

国立国際医療研究センター
群馬大学
長崎大学
愛媛大学

発表者

進藤 英雄(国立国際医療研究センター 研究所 脂質生命科学研究部 テニュアトラック部長)

概要

 国立国際医療研究センター研究所 脂質生命科学研究部の進藤英雄テニュアトラック部長は、群馬大学(群馬県前橋市)大学院保健学研究科生体情報検査科学講座の徳舛富由樹教授、長崎大学熱帯医学研究所、愛媛大学プロテオサイエンスセンター、自治医科大学との共同研究において、リン脂質合成酵素の一つであるアシル転移酵素(PfLPLAT1*1)の存在をマラリア原虫で初めて確認しました(図1)。この酵素の遺伝子を破壊すると、マラリア原虫は急速に死に至るため、この酵素が原虫の生存に生命線的役割をしていることが明らかとなりました(図1)。本研究成果により、原虫が増殖する際に大量に必要となる脂質分子をいかに調達するかという、生存戦略メカニズムの一端が明らかになっただけではなく、新しい抗マラリア薬の開発への貢献が期待されます。この研究成果は、2025年1月29日のCommunications Biology誌に掲載されました。

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図1:マラリア原虫の生活環とアシル転移酵素(PfLPLAT1)遺伝子破壊株による効果。




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図2:マラリア原虫のアシル転移酵素(PfLPLAT1)の生理機能と遺伝子破壊株の解析結果。



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