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第9回研究所セミナー

日時

2014年6月9日(月曜日)17時~18時

場所

研究所A・B会議室(国府台中継)

講師

徳永 勝士 先生(東京大学)

演題

疾患関連遺伝子のゲノム全域探索

講演要旨

我々はさまざまな多因子疾患や薬剤・治療応答性に関する国内・国際多施設共同研究に参加し、ゲノム全域多型解析による遺伝要因の探索を担当してきた。これらの経験から以下のようなことを学んだ。

  1. 2型糖尿病、原発性胆汁性肝硬変などについて同定した新規感受性遺伝子に関して、日本人とヨーロッパ系集団の間に共通性と異質性が認められた。日本人患者・健常者を解析することの重要性が指摘される。
  2. ナルコレプシー、関節リウマチなどの国際共同研究や大規模メタ解析に よって多数の新規感受性遺伝子が同定された。これらから、複数のパスウェイの発症への関与が推定されるとともに、新たな治療標的が見出された。
  3. ネフローゼ症 候群、原発性胆汁性肝硬変などに関して、異なる疾患に共通する感受性遺伝子が認められた。これらの疾患の発症機序の一部が共通であることが示唆される。
  4. C型肝炎のインターフェロンα・リバビリン併用療法への応答性遺伝子IL28の同定により治療方針決定のための遺伝子検査が開発され、広く普及している。また新たな治療法も提案され、IL28Bと同様にインターフェロンλの一員であるIL29の治験が実施されて いる。
  5. ナルコレプシー、B型肝炎ウイルス関連疾患、スティーブンス・ジョン ソン症候群などの多くのゲノムワイド関連解析において、HLA遺伝子群が最も強い関 連を示した。HLA遺伝子そのものの多型解析の重要性が指摘される。
  6. 最後に、疾 患関連遺伝子のゲノム全域探索研究の今後の課題について議論したい。そのひとつ は、大規模ゲノム多型・変異データを研究者コミュニティーが共有するための公的 データベースである。

代表論文

  1. Miyagawa T, Kawashima M, Nishida N, Ohashi J, Kimura R, Fujimoto A, Shimada M, Morishita S, Shigeta T, Lin L, Hong SC, Faraco J, Shin YK, Jeong JH, Okazaki Y, Tsuji S, Honda M, Honda Y, Mignot E, Tokunaga K.
    Variant between CPT1B and CHKB associated with susceptibility to narcolepsy.
    Nat. Genet. 40(11): 1324-1328, 2008.
  2. Tanaka Y, Nishida N, Sugiyama M, Kurosaki M, Matsuura K, Sakamoto N, Nakagawa M, Korenaga M, Hino K, Hige S, Ito Y, Mita E, Tanaka E, Mochida S, Murawaki Y, Honda M, Sakai A, Hiasa Y, Nishiguchi S, Koike A, Sakaida I, Imamura M, Ito K, Yano K, Masaki N, Sugauchi F, Izumi N, Tokunaga K, Mizokami M.
    Genome-wide association of IL28B with response to pegylated interferon-alpha and ribavirin therapy for chronic hepatitis C.
    Nat. Genet. 41: 1105-1109, 2009.
  3. Okamoto K, Tokunaga K, Doi, K, Fujita T, Suzuki H, Katoh T, Watanabe T, Nishida N, Mabuchi A, Takahashi A, Kubo M, Maeda S, Nakamura Y, Noiri E.
    Common variation in GPC5 is associated with acquired nephrotic syndrome.
    Nat. Genet. 43: 459-463, 2011.
  4. Nakamura M, Nishida N, Kawashima M, Aiba Y, Tanaka A, Yasunami M, Nakamura H, Komori A, Nakamuta M, Zeniya M, Hashimoto E, Ohira H, Yamamoto K, Onji M, Kaneko S, Honda M, Yamagiwa S, Nakao K, Ichida T, Takikawa H, Seike M, Umemura T, Ueno Y, Sakisaka S, Kikuchi K, Ebinuma H, Yamashiki N, Tamura S, Sugawara Y, Mori A, Yagi S, Shirabe K, Taketomi A, Arai K, Monoe K, Ichikawa T, Taniai M, Miyake Y, Kumagi T, Abe M, Yoshizawa K, Joshita S, Shimoda S, Honda K, Takahashi H, Hirano K, Takeyama Y, Harada K, Migita K, Ito M, Yatsuhashi H, Fukushima N, Ota H, Komatsu T, Saoshiro T, Ishida J, Kouno H, Kouno H, Yagura M, Kobayashi M, Muro T, Masaki N, Hirata K, Watanabe Y, Nakamura Y, Shimada M, Hirashima N, Komeda T, Sugi K, Koga M, Ario K, Takesaki E, Maehara Y, Uemoto S, Kokudo N, Tsubouchi H, Mizokami M, Nakanuma Y, Tokunaga K, Ishibashi H.
    Genome-wide association study identifies TNFSF15 and POU2AF1 as susceptibility loci for primary biliary cirrhosis in Japanese.
    Am. J. Hum. Genet. 91(4): 721-728, 2012.

研究所セミナー:開催スケジュール

  • 第13回 田中 啓二 先生(東京都医学総合研究所)
                         (12月8日)
  • 第12回 綿田 裕孝 先生(順天堂大学)   (10月20日)
  • 第11回 須田 年生 先生(慶応大学)    (9月29日)
  • 第10回 北 潔 先生(東京大学)      (7月14日)
  • 第9回   徳永 勝士 先生(東京大学)    (6月9日)
  • 第8回   小安 重夫 先生(理化学研究所)  (4月21日)

主催・連絡先

国立国際医療研究センター研究所長:清水 孝雄

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